コラム
深夜残業を正しく理解する
カテゴリー:労務管理
2017年12月19日
「深夜残業」といいますと、なんとなく夜遅く(終電後)まで働くこと、のようなイメージを持たれている方も多いのではないかと思います。労基法上深夜残業とは、22時から翌朝5時までの労働時間のことを指します。この時間は通常の労働時間の賃金計算額の150%を支払う必要があります(労基法37条1項)。
150%と書きましたが、規定の労働時間を超えて働く時間外労働分は125%(8時間を超える部分)。深夜残業でさらに25%足されて150%、休日深夜残業は35%足されて160%になる計算です(中小企業の場合)。
また残業代が出ない管理職(管理監督者)には残業代を支払う義務はありませんが、この深夜分25%は支払う必要がありますので注意が必要です。
なお私が社会人になった頃は、女性が深夜労働を行うことは原則として禁止されていましたが、平成11年4月以降はこの規制が解消されました。当時上長が女性に夜働かせてはいけないと言っていたのをおぼろげに覚えています。
ただし解消されたといっても女性労働者に対しては安全の確保努力が必要です(深夜に一人で作業をすることを避けたり、防犯ベルを貸与したりするなど)。なお妊婦の方には残業(当然深夜残業を含み)を拒否することができます。本人からの請求がなければ残業、深夜残業をさせることはできますが、本人ができるといってもできるだけ妊産婦には優しくありたいですね。
業界にもよるかと思いますが、最近は上長の顔色をうかがいながらだらだら残業をするというような場面が徐々に減っているように思います。働き方改革に伴い一気にその考え方が常識として広まるでしょう。
残業時間を減らすために1日の目標を朝(通勤時間など)に考え、その通りできたらさっと帰るというのが地味ですが有効的です。デスクに付箋で書いたやることリストを貼っておくのも良いでしょう。計画を立てる際に一定量の割り込みが入ることを想定し、またメールによる割り込みを極力減らす(受信タイミングを少し長めに取る。20分~30分間隔でも良いくらい)。また計画したタスクには必ず優先順位をつけること。
残業に対する考え方のパラダイムシフトが起こると会社は変わると思います。
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